動名詞とTO-不定詞の違い - Differences between Gerunds and Infinitives
動名詞を取る動詞とTO-不定詞を取る動詞。これを丸暗記する前に、動名詞とTO-不定詞で意味が異なる動詞を見ると、何となく両者ニュアンスの違いがつかめてきます。
こうした動詞は、暗記物として覚えようとすると大変ですが、動名詞とTO-不定詞の意味の違いを掴むのには絶好の例ですよ。
動名詞とTO-不定詞で意味の変わる動詞
FORGET, REMEMBER, REGRET
動名詞は、絵画的な言葉故に、実際の動作を示唆します。一方、TO-不定詞は、目的や方向を示す言葉のため、これから行なわれる動作を表す傾向があります。
この違い故に、動名詞と不定詞の意味の違いが如実に現れるのが、FORGET, REMEMBER, REGRET です。
I'll never forget visiting Lake Biwa.
= I'll never forget my visit to Lake Biwa.
琵琶湖に訪れたのは過去の出来事。それを忘れない
I forget to turn the lights off.
= I forgot my duty to turn the lights off.
ライトを消す日課・義務、それを忘れた。
I remember visiting Lake Biwa.
琵琶湖を訪れたのは過去の出来事。それを覚えている
I remembered to turn the lights off.
ライトを消す日課・義務を覚えている。
I regret telling him the bad news.
悪いニュースは既に告げた。それを残念に思う。
I regret to tell you the bad news.
悪いニュースをこれから伝える、それを残念に思う。
FORGET, REMEMBER, REGRETでは、動名詞の動作は、既に過去に起きた事を表します。TO-不定詞の場合、これからする予定の行為を「忘れた」「覚えている」「残念に思う」と言っています。
主節の時制よりも前に起きているので、having visited, having told としても良いですが、名詞 my visit でも過去である事がわかるように、FORGET, REMEMBER, REGRET のような動詞の場合、完了形を使わずとも動作の順番がわかる時は、敢えて時制を一つ下げなくても良いです。
TRY
動的イメージを与える動名詞と、目的や方向を示すTO-不定詞の違いは、TRY にも現れます。
I tried taking deep slow breaths.
I tried deep slow breaths.
深呼吸で効果があるかどうか試した
I tried to learn Chinese.
中国語を学ぼうと努力した
動名詞は、文の要素こそ名詞ですが、現在分詞と同じ「〜している」というイメージを与える分、挑戦している動作を表現します。動名詞の taking を使うと、名詞のdeep slow breaths だけよりも動きのある表現になります。
それに対し、TO-不定詞は「目的に向かって努力する」意味があります。【TO】の与える方向のイメージがでるのですね。
STOP
I stopped smoking.
I stopped to smoke.
STOP の後の動名詞は目的語。タバコをすう事を止めたという意味です。
一方、STOP の後のTO-不定詞は、「タバコを吸うために」立ち止まった事を意味します。TO-不定詞は目的を表す副詞的用法です。
STOPの場合、動名詞と不定詞は、意味だけでなく文の要素も違うので気をつけましょう。