動名詞とTO-不定詞 —Gerunds and Infinitives
動名詞とTO-不定詞の名詞的用法は、同じように「〜事」と訳されますが、微妙にニュアンスが違います。
動名詞は動きを表す言葉です。例えば「農業」という日本語を和英辞書で引いてみると、"agriculture" と "farming" が載っていますが、"farming" の方が耕作している姿が浮かぶ絵画的な言葉です。
TO-不定詞は【TO】という言葉が示すように、方向性を持ち、目的や未来の行為を示す傾向があります。
I had a problem installing new
software.
インストールに手こずった事を伝えている。
I had a problem to install new
software.
インストールする目的を達成するのに問題があった事を伝えている。
大きな意味の違いがあるわけではありませんが、こうした微妙な心理の差が、動名詞と不定詞にはあります。(TO-不定詞と動名詞の違い参照)
特に、熟語を覚える際はこの感覚の違いを念頭に入れておきましょう。ちなみに、前置詞 to の後にくる動名詞は、TOEFL等の出題率高いです。
動名詞·TO-不定詞の時制·態
動名詞とTO-不定詞には時制があり、主文の動作との時間の前後を表します。また、受身もあります。時制の感覚、受身の理屈がわかっていれば、難しい事はありません。あとは、慣れです。
- 主動詞と同時 -ing·to-do
- I am thinking about not going there.
She is always careful not to say anything about her family. - 否定形 not doing·not to-do
- I am thinking about not going there.
She is always careful not to say anything about her family. - 主動詞より前の行為 having done·to have done
- I appreciate having had the opportunity to meet him.
I seem to have misplaced my keys. - 受身形 being done·to be done
- I am appreciated being invited to your home.
I don't want to be fooled by his lies anymore. - 主動詞より前:受身形 having been done·to have been done
- I appreciate having been told the news.
She is lucky to be given a theater ticket.
動名詞は元々、実際の行動·状態を表すので、文の動詞よりも前でも完了形を使わない事もあります。having 過去分詞 の形が良いか、通常の動名詞の形が良いかは、動詞の名詞形を入れてみるとわかりやすいです。
I regret my loss of temper in class.
感情が爆発してしまった事を後悔(regret より前の出来事)
I regret loosing my temper in class.
= I regret having lost my temper in class.
regret の場合、名詞の出来事は過去である事が明らかです。ですから、動名詞で完了形にしなくても、時制が一歩前な事はわかります。
I appreciate
the opportunity to work for you.
今現在の機会?過去にあった機会?
I appreciate
d having the opportunity to work for you.
≠ I appreciate
having had the opportunity to work for you.
appreciate の場合、今ある機会に感謝する場合や、それ以前にあった機会に感謝する場合があります。この場合動名詞は、時制を使って動作の前後を明確にします。
動名詞·TO-不定詞の時制は、時制を変化させないと誤解を与える時に主に使われると捉えておくと良いでしょう。
動名詞·TO-不定詞は、動作の主語を表す必要がある場合があります。それぞれの用法を動名詞·TO-不定詞で確認して下さい。