THERE と HERE
THERE IS/ARE 構文
THERE IS/ARE 構文は、あるものが存在する事を表します。THERE に「そこ」という意味はありません。
be動詞の他に、seem, look, appear, sound, remain 等のlinking verbs も取ります。
There are many people in the city.
Is there any bread left?
There seems to be a lack of communication.
THERE IS/ARE 構文 が存在を表すからといって、日本語の「〜がある/いる」が必ずしも THERE IS/ARE 構文にはなりません。
THERE IS/ARE 構文 では、通常主語の名詞は特定の物は主語になりません。つまり、定冠詞や所有格で限定された名詞は来ません。
何故来ないかと言うと、THERE IS/ARE 構文 は、ある名詞の存在を、聞き手(読み手)に紹介するニュアンスを持つからです。
Once upon a time, there was a little girl named Snow White.
There is a restaurant around the corner.
The restaurant is around the corner.
"Once upon a time there was/were..." は、童話の定番の始り方です。"a little girl" とまだ誰も知らない少女を紹介するのに、"there was..." が使われています。
「そのレストランは角にある」と、特定のレストランを指す時は、
"The restaurant is…"
と表現します。「そのレストラン」が存在する事は、お互いに知っているからです。
THERE IS/ARE 構文は、EXIST を使って書き換えることができます。EXIST を使った文に比べて、THERE IS/ARE 構文の方が、THEREで「この世に」的なニュアンスをかもし出しています。
Is there Santa Claus?
Does Santa Clause exist?
There is no such thing as a perfect world.
Such thing as a perfect world doesn't exist.
THERE は、意味は無くても使っている理由は存在します。THERE が文頭に来る事で、聞き手(読み手)の注意を喚起するような作用があり、それ故に「紹介するニュアンス」生み出すのです。
ここをを理解すると、特定の名詞や所有格、固有名詞が来てもOKな時の理由も見えてきます。
A:I am getting hungry. Do you know any good restaurant nearby?
B:There is that restaurant around the corner.
「あのレストランがあるよ。」
A:I need some help. Do you know anyone capable?
B:There is my sister. She is free.
「姉がいるよ。」
上記の場合、「ほら、この〜がある/いるよ」という意味。相手が思いついていない存在を紹介して、思い出させているわけです。ですから、所有格や限定詞がきても良いわけです。
日本語の「〜がある/いる」が必ずしも THERE IS 構文にならないのには、こんな違いがあるからです。