定冠詞・不定冠詞 の役割 - Articles
My Friend と A Friend of Mine
「"my friend" を使うと友達1人しかいないみたいだから、"A friend of mine " を使う事」という話を一度は聞いたことあると思いますが、それはウソです。
"my friend" そのものに「友達1人しかいない」という意味は全くありません。では、この二つの意味の違いは何なのでしょうか。
"my friend" は親しい友達で、"a friend of mine" は、単なる友達 という解釈も目にしますが、こちらは100%とは言えずとも、遠からずな答えです。
I will help you. You are my friend.
I know Yoko. She is a friend of mine.
この "my friend" は、「たった一人の友達」という意味でも、「親しい友達」という特別な意味があるわけでもなく、「私の友達」という意味です。つまり、my Friend は、「私の」と「1人の友達」を特定している表現です。「あなたの」でも「彼女の」でもなく、「私の」と特定された「友達」。
一方、A friend of mine は「ある1人の友達」という意味で、その友達が「私の友達というグループに属している」という意味です。A friend 自体は、特定の顔を持ちません。
ここが、"my" という名詞を特定する所有格と、"a" の不定冠詞の感覚の違いの大切なところ。
「友達なんだから助けるのは当たり前さ。」という意味の「友達」を、"a friend of mine" と「多数の友達の1人」と表現しては、ちょっと味気ない。「私の友達」だから助けるというわけです。
"my friend" が親しい友達を指すというよりも、「私の友達」であることを強調したい時は、"my friend" を使う方が自然といった方が良いでしょう。
では、何故、"my friend" が「友達1人しかいない」という意味になるという説が生まれたのでしょうか。ちょっと例文を見てみましょう。
My friend came to see me yesterday.
A friend of mine came to see me yesterday.
My friend lives in New York.
A friend of mine lives in New York.
上記の例文は、「ある友達」その友達が「私の友達というグループに属している」という表現の、"a friend of mine" の方が自然な文章です。
所有格には、定冠詞 the と似たような働きがあり、「私の」と名詞を限定する働きを持つのです。「私の友達」しかもその友達は単数1人。ん? となるわけです。
これが、既に「私の友達」 について話をしていた場合、「その私の友達」という意味で、"my friend" を使うのは不自然ではありません。
動詞や前置詞の目的語での"my friend" の使用法は、主語ほど不自然な響きをもたらしません。英語では主語が常に話題の主だからです。
I went to dinner with a friend last night.
I went to dinner with my friend last night.
私が、「私の友達」ではなくて「あなたの友達」と食事に行く可能性は著しく低いので、"a friend" と、of mine を省略する言い方は多いです。my friend や my friends よりも 不特定という意味で自然と取る人も多いですが、"my" を使った表現も良く聞きます。
a friend of mine と、my friend は、「正しい」「正しくない」の違いではなくて、「特定する」「特定しない」の「気持ち」の違い意識してみると、使いこなせるようになります。