比較級 - Comparative
NOT 比較級 THAN
NOT 比較級 THANの意味するところは、「〜以上...ない」という事です。
I don't have more than $100.
「$100以上持ってる。」ではない。
I don't have more than one hour.
「一時間以上持っている。」ではない。
NOT 比較級 THANは単純な否定文。$100以上は持っていないという事は、$90ドルかもしれませんし、$10ドルかもしれません。とにかく、「$100以上持っている」ではありません。
Mimi isn't more beautiful than her sister.
「Mimiは姉(妹)より綺麗」ではない。
この文は、Mimi はお姉さんほど綺麗でないにしても、綺麗な可能性はあります。そうでなければ、わざわざ「綺麗」という言葉を使って比較しませんね。
ここをしっかり理解して、NO 比較級 THANの構文との違いを見てみましょう。
NO 比較級 THAN
NO 比較級 THAN の構文は、区切る場所を把握すると全く難しいことはありません。無理して暗記するより、英語の構造を理解する方が楽です。
副詞の【NO】は、限定詞の【NO/NONE】同様、「無」を意味します。どれくらい「無」なのか【THAN】以下で表現しています。例を見てみましょう。
I have no money.
お金は「無」
I have no more than $100.
お金は「これ以上無」·これ=$100。⇒「100ドルはあるが、それ以上は無い」
I don't have more than $100.
「$100以上持ってる。」ではない。
NOTの場合「$100以上持っている」を否定しています。【NO】の場合「これ以上お金は持っていない」と言う意味で、「これ」とは「100ドル」の事。そこから「たった$100しか持っていない。」という意味になります。
このように、どこまでを否定しているのか、英語の構造からしっかりとらえると、NOT 比較級 THANとNO 比較級 THANの違いがはっきり理解できます。
I have no time.
時間は「無」
I have no more than one hour.
時間は「これ以上無」·これ=一時間。⇒「一時間しかない」
I don't have more than one hour.
「一時間以上持っている。」ではない。
NO 比較級 THANでは、比較対象の【THAN】以下が、「そんなわけ無いじゃん!」という内容なのが前提です。「それが〜なら、これだって〜になる。(つまりどちらも〜でない)」という表現です。
Mimi is no more beautiful than her sister.
≠ Mimi isn't more beautiful than her sister.
NOT 比較級はあくまで比較文の否定。Mimi 姉妹が綺麗な可能性もありますが、NO 比較級 THANは、姉妹はもどちらも可愛くないことを示しています。
この使い方で一番有名な「鯨の公式」。「クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ。」はこなれた日本語訳。直訳は「馬が魚である以上に、鯨が魚ではない」です。「馬が魚でない」のは自明の理だから「鯨も魚でない」というわけです。
A whale is no more a fish than a horse is.
= Neither a whale nor a horse is a fish.
NO LESS THAN の場合、肯定的に使われる事が多いです。この場合、【THAN】以下の比較対象がそれなりでないと、褒め言葉にならず、かえって皮肉になります。
He is no less a musician than Ray Charles.
She is no less pretty than her mother.
お母さんが可愛くなかった場合、no less pretty と言われてもうれしくはありませんね。