形容詞の叙述用法
限定用法と叙述用法で意味の違う形容詞
形容詞の中には、限定用法と叙述用法で意味が異なってくる場合があります。
certain, ill, late, present, ready, responsible
これらは、全く違う意味に訳されがちですが、実際のところ核の意味は変わりません。名詞を前から修飾する時は「名詞の特質・性質を現して絞り込む」ので、違いが現れる事があります(前置修飾と後置修飾の違い参照)。
どんな単語もある程度幅を持っている物です。全く違う意味と考えるよりも、その単語の核となる意味を探してみると違ってくる理由が見えてきます。
ここでは試験などに良く出る代表例を取り上げてみましょう。
CERTAIN
名詞の前に来ると「とある、ある種の」と訳される CERTAIN。原義は「確かな、確定された」という意味です。
He was certain of it. 叙述用法 「確かな」の意
I'm not certain when it will be ready. 叙述用法 「確かな」の意
Certain people might disagree with this.
Some people might disagree with this.
I do agree to his idea to a certain extent.
I do agree to his idea to some extent.
曖昧な some と certain を比べてみると、certain の方が 話者が何か「確かな」物を想像しています。Certain people や、a certain extentは、「ある」というより「特定の」と考えた方が英語の意味に近いです。
ILL
ill の原義は「悪い」。叙述用法では、健康状態を表すWELL の反義語で「健康状態が悪い=病気だ」という意味になります。
He is seriously ill in the hospital. 叙述用法 「病気だ」の意
She was afraid of getting an ill reputation.
He resigned because of ill health.
名詞の前に来る ILL は、very bad の意味です。響きも強烈なので、使用頻度は高くありません。
LATE
late は、「ある一定の時間よりも後」というのが、核の意味。「遅くなる」「遅れた」「末期の」という意味になり、人の前では広義の意味の末期、つまり亡くなった「故〜」という意味になります。
I'm late for the meeting.
Let's go home. It's getting late.
He was popular in the late 1980s. 限定用法 「後半」の意
She wrote a book about her late husband. 限定用法 「故」の意
PRESENT
PRESENT は、「現在存在している」が核の意味。会合や式などに、「現在存在している→出席している」という意味で使われる事が多いので、「出席する」と「現職の」では大きな違いがあるように見えますが、元は意味は同じです。
There were 200 people present at the meeting.
The memory of her brother's death is still present in her mind.
We do not have any more information at the present time.
He is the present owner of the house.
READY
READY の意味は、「準備の整った状態」。名詞の前に来ると「準備の整った状態→即座の」という意味になります。
I'm not sure if John is ready to marry Karen yet.
I need to get everything ready for the party.
He had no ready answer to my question.
She has great charm and a ready wit.
RESPONSIBLE
RESPONSIBLE の意味は、「責任のある」。名詞の前に来ると「責任感のある」という意味になります。
Amy is the person responsible for the customer service.
She is very responsible person.